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思考 感情

空・雨・傘

マッキンゼーが開発した問題解決手法に「空・雨・傘」というシンプルで強力なフレームワークがある。例えば、空が曇っていて、雨が降りそうだから、傘を持って出かける、というふうに解決案を導出する。

一つ一つ詳しく見ていこう。
最初の「空」は、認識である。事実を見たり聞いたり、雰囲気を感じたりして、データを測定し、状況を認識するのである。

次の「雨」は、解釈である。事実や雰囲気のデータをあなたの思考回路に流して、次の場面を予測するのである。(y=ax+bのような方程式を作り、yを予測する)

最後の「傘」は、行動である。予測した次の場面に対する解決候補から最適解を選び、行動するのである。

それでは、物理的な「空・雨・傘」の解法が、精神的な解法としても適用できることを紹介したい。職場に遅刻したAさんが、上司の席から自席に戻って来たという場面を想定しよう。

最初の「空」は、認識の目配り
Aさんの顔色や姿勢やしぐさに着目し、いつものAさんの様子と比較する。

次の「雨」は、解釈の気配り
Aさんの外見の変化だけではなく、内側にも入り込み、Aさんの心情の波の推移を指でなぞる。

最後の「傘」は、行動の心配り
心情が下向きなら同情の言葉をかけ、心情が上向きなら励ましの言葉をかける。

Aさんとの間柄を良くしたいなら、つまりAさんとのギャップを埋めたいなら、表情やしぐさを模倣して、心情の推移に合わせて、言葉を選び声をかけること。