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思考

一隅を照らす

比叡山延暦寺の天台宗には、一隅(いちぐう)を照らす、という理念がある。今、あなたのいる、その片隅で、あなたが天からの叡智で迷いをなくして菩薩になり、光を反射させれば、あなたの隣人が光り、町や社会が光る。小さな光が集まって、日本を、世界を、やがて地球を照らす、という社会運動に進化している。

一隅を照らすとは、闇を照らして無明を打ち消す、という一次解釈だけではない。

天体観測する天文台のように、太陽活動の光と影から引き寄せた思想である。太陽光は広く世間全体の闇を打ち消す一方で、個々の影をいっそう太く描く。

影とは、相似形の記憶を引き寄せる思考の根源である。

お天道様は個々の影をいっそう浮き彫りにするので、個々人は意識を正して、しっかりお天道様に顔を向けなさい、という集合的な二次解釈が隠されている。