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思考 感情

問いや願いを立てる

正しい問いや願いを立てることが一番難しい。問いや願いが一発で決まることはない。ぶれて、揺れて、緩んで、波打ちながら、時間をかけて定まる。問いや願いが大きいほど、ぶれ方、揺れ方、緩み方も大きくなる。しかし、いったん、正しい問いや願いを立てることができたなら、あとは自動運転車に乗ったも同然である。達成の成否を決めるのは、問いや願いそのものなのである。

あなたの意志ではなく、あなたの心が望む問いや願いしか叶わない。寝ても覚めても息をするように繰り返し情動を呼び起こす問いや願いしか叶わない。逆に言うと、怒りの感情に襲われる問いや願いなら叶わない方がいいが、やはり叶う。

あなたの意志ではなく、あなたの心が望む問いや願いなのかを確かめるには、その問いや願いが情動とセットになっているかを見ればよい。つまり、その望みの問いや願いを見たり聞いたり触ったりすると、喜怒哀楽の感情が沸き立ち、動かずにはいられなくなるような情動に駆られるかどうかで確認できる。

例えば、あなたは、ある車が欲しいとしよう。あなたはその車の写真を瞳に焼き付けて目を閉じると、頭の中に、はっきりと目の前にその車が現れて、車両を前から、横から、後ろから、下から、上から、外側から、内側から、自由自在に見て回り、エキゾーストノートを聞き、ボンネットやドアノブ、シートやハンドルを触って匂いまで感じるか?あなたの鼓動は高鳴り始めて、子供のように椅子に座って運転の真似をせずにはいられないか?本物を手に入れるまで、木材やダンボールで模型を作ろうかと頭によぎったか?心から望むものは圧倒的な情動に駆られるのですぐに分かるものだ。

無意識は、現実と空想を区別できないため、現実と空想のギャップを埋めようと、あなたの体を日夜動かして具現化させようとする。嘘から出たまことだ。石の上にも三年と言われるとおり、三年も継続できたら、間違いなく、あなたはその車を手に入れていることを約束しよう。

人間という生き物は、驚くほど劣悪な環境を耐える性癖がある。あなたは、どの道、耐え難きを耐え凌ぐのだから、前向きな情動が湧くことに目を向けて耐えてください。