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思考 感覚

色彩が気分を変えて、気分が現実を変える

色は、目で見れるだけではなく、心で感じることもできる。色は、外側の世界と内側の世界に通じる媒体なのである。おまけに色は数値化して操作しやすい媒体でもあるため、景色から不自然さや違和感をなくして臨場感を高め、情動を引き寄せやすい。

虹色を反射するものは、臨場感が高くなる。
階調が滑らかなものは、臨場感が高くなる。
影の奥行きを持つものは、臨場感が高くなる。
つまり、色の情報量を増やすと、臨場感が高くなる。

外側の感覚と内側の情動をつなげる色彩を広告媒体に使わない手はない。Appleが、色とりどりの音楽デバイスで、ブランドを訴求するのは、心理的効果が高いからだ。催眠療法のように、虹色でブランドに情動をアンカーできれば、ブランドをトリガーにして虹色の購買意欲を呼び覚ますことができる。

色だけではなく、音、香り、味、手触りの五感を刺激する媒体は、気分を変えることができる。気分で風景は変わらないが、気分で景色は変わる。例えば、街中でおかめが笑う同じ看板を発見しても、気分が悪ければ気色悪いやつに見えるし、気分が良ければかわいく見える。

好みの色が変われば、付き合う仲間や、出入りする店や、手に取る品物が変わり、しだいに身の回りの生活が変わっていく。